マーラー音楽祭第1回演奏会が終わりました。大きなプロジェクトの1回目の演奏会ということで大きな責任と、それに伴う緊張を感じましたが、オーケストラの皆さんの熱意、プロジェクトを支えるスタッフの皆さんの温かさもの元に、無事成功させることができたと思います。

前半のマーラーの『さすらう若人の歌』、ツェムリンスキーの『メーテルランクの詩による6つの歌曲』は、とにかくソリストの原田圭さん、富岡明子さんが素晴らしかったです。お二人の、言葉を大事にそして明瞭に伝える歌唱、深みと艶のある音色、劇的な表現は、私達を一つ上の山に引っぱり上げて下さり、それまで見ることのできなかった風景を感じさせて下さいました。知的好奇心と探究心の強いオーケストラのメンバーは、曲の解釈、テキストの意味を理解するや否やそれをすぐさま音で描写して下さり、この点大いに驚かされました。

ハンス・ロットの交響曲にはそれ以前の作曲家であるヴァーグナー、ブルックナー、ブラームスからの影響が色濃くみられ、そしてそこにはまた後のマーラーにつながる要素が沢山詰まっております。そういった意味で音楽史的に見て決して知り欠くことのできない作品でありますが、それを紹介という形のみならず、大きな感動でもって演奏できたことはとても喜ばしいことでした。ロットの理想が溢れんばかりに詰め込まれたスコアゆえ、実演では操作しないと難しいところもありましたが、できるだけ素材に手を加えないよう心がけました。その難しい要求にもメンバーはしっかりと応えて下さったように思います。

オストメールとしては、次はマーラー音楽祭第1部の最後、第12回に出演し、マーラーの10番の補筆完成版を演奏いたします。オストメール単体でみると10回目という記念すべき演奏会です。どの版を使うかは未決定ですが、既にクック版では演奏いたしましたので、それ以外の版ということになりそうです。こちらもとても楽しみです。