写真提供:愛知県文化情報センター 写真:中川幸作 

7月21日(木)に東北復興支援チャリティーコンサートがありました。〈届け!あいちの祈り、音の翼にのせて〉と題されたこの演奏会は、愛知県立芸術大学の教授、卒業生、現役生の方々によるものであったのですが、ここ数年、愛知室内オーケストラ(県芸出身者による団体)を何度も指揮させて頂いているという由で、他大学出身の私もその輪の中に入れて頂きました。

私はこの日まで募金以外、震災に対して何も活動できていませんでした。早いものでは震災の2日後である3月13日に、その後も何度かチャリティーコンサート出演のお誘いが来たのですが、生憎スケジュールが合わず見送る日々が続いておりました。本来、人の心や社会のために音楽活動に従事しているはずなのに、肝心な時にそれができず、大変もどかしい気持ちを常に携えておりました。ですから、この演奏会にお誘い頂けて、またお引き受けできて、まずは嬉しく思いました。

演奏会は1・2部に分かれており、第1部は上記のように沢山の素晴らしい県芸にまつわる音楽家の皆さんが順に室内楽を演奏なさいました。自分の出番である第2部を待つ間、楽屋のモニターや舞台袖で皆さんの拝聴し、その高い音楽性にうっとりしつつ、また同時に緊張が高まってきました。

第2部では、愛知室内オーケストラの皆さん、愛知県立芸術大学BMKCohirの皆さん、オルガンの吉田文さん、そしてチェロの天野武子さんと、ベートーヴェンの交響曲第7番、バッハの『主よ、人の望みの喜びを』、パプロ・カザルス編の鳥の歌を演奏いたしました。音楽は人の心を一つにする根源的な力があります。音楽を通じて想起、祈念、追悼などの行為を、会場中の皆さまと一緒にできたのは、また普段とは違った特別な体験となりました。

演奏会は終わりましたが、参加させて頂いた事で満足することなく、これから先に更に何ができるかを自問しながら日々生活していきたいと思います。寧ろ、1年2年、10数年先こそ、音楽の力が問われるのかもしれません。

改めまして、震災で尊い命を失われた方々に深く追悼の意を表します。そして、被災地で過ごされている皆様に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復興を強く祈っております。